心映画家 吉田瀬七

心映画家 吉田瀬七

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見たもの、聞いたものの記録、その感想

13 Nov 2024

想いのこと

 やりたいこと、聞きたいこと、見たいことがたくさんある。体が足りない、という意味を、この頃知ったと思う。

 とりあえず、近所の美術館に向かう。少しおしゃれをして、普段はあまり着ない着物を着て、少し動き辛いと思いながらも気分は楽しい。

 パステルで描かれた作品は伸び伸びしている。作家ご本人がいたので話を聞く。個展の会場に作家さんがいるときは、出来るだけ話を伺うようにしている。色々な人から色々な話を伺うが、共通していることがある。

 自分の作品が、好きだということ。

8 Nov 2024

少し寒くて雲の厚い日に出かけたこと

 知人から展覧会の招待券をもらっていたので観に行く。

 展示されていたのは工芸品だった。染織には元々関心があったが、硝子や漆も素晴らしい。絵画では表現することが難しいだろう輝きがある。

 知人は染織の掛け軸を展示していた。描かれている般若心経を口の中で小さく呟く。小学生の頃、演じた劇の中で般若心経を読経する場面があったので、少しくらいは読める。しかし、意味はよく分からない。

 会場から出ると、受け付けの人に「どうでしたか?」と声をかけられる。染織が面白かったと、正直に答えた。

7 Nov 2024

「此処」のこと

 今日から、仙台のCafeこもれびにて個展が始まる。

 初日なので、在廊する。

 絵には言葉が添えられている。完成した絵を見ていると、何となく言葉が浮かんでくる。落ち着いた目で見てみると「独」を意識した言葉が多い。しかし、寂しさを感じさせないように努力しているようだ。

 この言葉を、大変褒められる。

 絵の中に、言葉がある。

 個展のタイトルは「此処」。

28 Oct 2024

当たり前だと、笑ってしまうようなこと

例えば、

今日起きること、今日寝ること。

今日食べること、今日学ぶこと、今日遊ぶこと。

今日朝を迎えて、今日夜に迎えられること。

当たり前のことの、当たり前でないこと。

それを当たり前と受け入れながら、

息をしていることに驚かされる。

23 Oct 2024

「本物の画家」のこと

 好きな作品を見つけると、何となくホッとしてしまう。

「ああ、良いものに出会ったなぁ」と。

 好きな作品に出会えることは、運が良いことだ。出会った作品を、好きな作品だと気づいて、それを大切な人と共有できるのは、幸せなことなのだろう、きっと。

 そういう絵が描ける人が「本物の画家」なのかもしれない。

1 Oct 2024

絵を描く姿勢のこと

 物心ついたときから、絵を描いていた気がする。

 友達とわいわいはしゃいでいる記憶よりも、一人でしんみりとしていた思い出の方が鮮明である。孤独、というのとは違う。「影が薄い」とも言われたが、そういう自分に満足していた。敢えて言うなら、もっと背筋を伸ばして歩ける人でありたい。

 絵を描いている姿勢は、いつも俯いている。そういう自分に慣れてしまっている。ただ、この頃描く絵は、凄みが足りないように思う。作品が悪くなったというわけではなく、落ち着いてしまった。吉田瀬七と同じように、絵も歳をとる、ということがあるのだろうか。

 学生時代に描いていた絵を観ると、今は描くことが出来ないような凄みに驚く。また、あのような絵を描きたい。動きたい、と思う。

30 Sep 2024

今日という日、和服を着て出かけたこと

 今日、和服を着て出かける。

 素人なので雑誌のモデルさんやお茶やお花のお稽古事のようなパリッとした着方ではない。何となく、ゆるりとしている。帯は黄色と黒の半幅帯を文庫結びで締める。着物は青地に柳の柄の薄物である。

 ある公募展に応募した吉田瀬七の作品は賞候補だった。それが実際に飾られているのを観に行ったのである。

 公募展には様々な作品が飾られていた。さすがに受賞作は力作揃いだった。吉田瀬七の作品はそれらに比べると力不足であることは否めない。新しい表現に挑戦したつもりだったが、却って、吉田瀬七の作品の個性を潰すことにはならなかったか。次の作品の為に考える。

 これから数ヶ月は、仙台市内のカフェで開催予定の個展に向けて準備をする。手伝ってくれる家族には頭が下がる思いである。頑張ろう。

4 Sep 2024

今日の作品のこと

 背景にペンでたくさんの模様を、全体のバランスを見ながら頑張って描いたが、蝶を描いたら殆ど消えてしまった。勿体無い。

 蝶はたくさん見かけるが、いざ描こうと思うと意外と複雑で難しい。

 目の覚めるような青はウルトラマリン。

17 Aug 2024

好きな色のこと

 吉田瀬七は色が好きだ。

 緑が好きだ。

 緑の濃い通学路を通って、学校に通った。名前も知らない花をむしって母へのお土産にした。今でも、外に出ると緑に惹かれる。この季節には、強い緑の中に私の好きな花がたくさん咲いているので、嬉しい。青い露草はパッと明るい。白い百合の花の凛とした姿に憧れる。向日葵を見つけると妙にドキドキする。

 緑には、命を感じる。

16 Aug 2024

個展の準備のこと

 吉田瀬七は11月と12月にカフェで個展を開催する予定である。まだまだ先のことだと思っていたが、そろそろ宣伝や作品の準備をしなければならない。

 11月の個展では雲を描いた作品を展示したい。その為の作品もいくつか準備してあるが、宣伝用のDMに使う作品はどうしようかと迷っている。小さな作品をいくつか組み合わせて作っても良いだろうが、メインとなる作品をソロで使って制作した方がいい気がする。

 夕暮れの赤い雲にしようか。安らぎの青い雲にしようか。覆い被さってくるような厚い雲にしようか。

15 Aug 2024

愛犬の好きなもののこと

 愛犬の全体像を描こうとするがいつも描いている顔の印象が強い為か、顔を大きく描いてしまったせいで胴と爪先がはみ出てしまった。そんな愛犬が好きなものは、母と餌と父の靴下。

14 Aug 2024

今日描いたスケッチのこと

 実家にいるうちに、実家にいる間にしか描くことのできない絵を描きたいと思う。大抵は愛犬の似顔絵だが、今日は母の肖像画も描いてみる。愛犬を描いた絵なら大抵「良いね」という感想をくれる母だが、自身の肖像画に対しては「もっと美しく描いて」と多少不満顔だった。面目ない。

13 Aug 2024

迎え火のこと

 迎え火をした。

 チリチリと揺らぐ赤い色が優しげに見えたのは、これがご先祖さまに帰ってくる場所を教える為の色だということを、知っているからだろうか。

12 Aug 2024

愛犬と弟のこと

 弟が帰ってきたときは弟のことなどすっかり忘れた様子で唸って睨みつけて、コソコソ距離を取ってばかりいた愛犬が、今日はやけに弟と仲が良い。ふと気づくと、一人と一匹で大して広くもないソファの上に寛いでいた。帰省して以来毎日餌をあげ、散歩に連れて行く吉田瀬七にすら、ここまで親しまない愛犬である。

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